2022年12月5日月曜日

9日目: 一本釣り 誰も使わないピアスタッフ用語集その弍

グッと冷え込むようになりました。我が家でも石油ストーブに載せた薬缶がシュンシュン鳴っております。こんな寒い日にはたい焼きをほおばると嬉しくなります。慌てて食べると熱々のあんこで火傷してしまうやつですね。

たい焼き好きな人の間では「天然もののたい焼き」、「養殖もののたい焼き」という言葉があります。一つの型で何匹も焼かれるたい焼きが「養殖物」。量産しやすい。一匹ずつの型を手で焼くものが「天然もの」。手間がかかり熟練の技が必要だとか。

個人的には、天然ものは皮がパリッと香ばしく、見かけるとついつい買ってしまいます。天然ものは昔から「一丁焼き」と呼ばれていたそうですが、「養殖もの」、「天然もの」という呼び方はユーモラスでもあり、人に蘊蓄を語りたくなります(ほら今も)。

「一本釣り」の言葉は、ピアスタッフ業界では、事業所の雇用主が利用者を職員として採用することを指す俗語です。一本釣りは、マグロとかカツオを獲るときの方法だと思いますが、人を採用する、リクルートする場面でよく使われるようで、どちらかといえば「引き抜く」という意味合いのようです。

利用者の集団の中から、この人は能力が高いとか使えそうだ(ピアサポートとの観点で良い人かどうかはさておき)と判断された1人を利用者から登用することが現実的に起きていることだと思われます。利用者を全員ピアスタッフとして採用することはあり得ないでしょうから、一本釣りなのでしょう。

原則として、自事業所の利用者を採用しないことが推奨されています。現実としてよくある話ですし、うまく行っている例もありますので、一律にダメだというわけではありません。その辺りは「障害者ピアサポート研修 専門研修テキスト」「ピアサポートの活用を促進するための事業者向けガイドライン」にて触れられているので興味がある方は紐解かれると良いでしょう。

一本釣りではなく、有能な?ピアスタッフがヘッドハンティングされるような業界になるのはいつのことでしょうね。