2022年2月20日日曜日

ピアスタッフの為の小さな継続学習会(5)

 9月から学習会を始めました。私たちも試行錯誤の手探り状態でまずはお試し的な意味合いも含め、当面はクローズで実施の予定です。

しばらくこの試みをやってみた後に、参加者を募って学習会を開けたらと考えており、現在はその準備も兼ねているといった感じです。参加希望の方には大変心苦しいですがご案内が整う時期がきたら、しっぷろWEBサイトにて案内するように致しますので何卒よろしくお願い申し上げます。

第5回学習会(勉強会)を2022年1月16日(日)に行いました。この学習会は、ピアサポートワーカーとして働くことについてなどをコツコツと学ぶための学習会をまずは小さいサイズの固定メンバーではじめてみよう、ということではじめました。内容について知りたい方もいらっしゃるかもと思い、少し共有させていただきます。


この日は、

  • 参加者同士の自己紹介

  • 学習内容

  • 今日感じたことの分かちあい & 今後の予定確認など…をしました 


 
学習会資料

ImROCの「ピアサポートワーカー:理論と実践」(5. Peer Support Workers: Theory and Practice) https://imroc.org/wp-content/uploads/2013/06/5ImROC-Peer-Support-Workers-Theory-and-Practice.pdf(2021 .09..25確認 )

(p.8-9) ピアサポートのコア原則 (Box 3: The core principles of peer supportから)


「コアとなる原則」 ④ リカバリーに焦点をあてる(Recovery Focused)

ピアサポートは、以下のようなことによってリカバリーに焦点を当てた関係を築きます。

希望を呼び起こす…「あなたなら出来ますよ」と言える立場にあり、サポートしている人

の個人的 な信念、エネルギー、コミットメントを生み出す手助けをします。

●個人的なチャレンジのコントロールを取り戻し、自分の運命を明確にするためのサポートを  

します。

●その人が大切にしている機会へのアクセスを容易にし、自分の選んだコミュニティでの役割、 

関係性、活動に参加できるようにします。

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  • コミットメントってなんだろう?
  • 「責任」とか「関わり合い」というのが自分の記憶には残っている。
  • 自分が自信がもてないときは、責任を持てないでいた。
  • 参画することを自分で決める、主体的に関わる感じ。誰かに乗っかってやるとかではなくて、その物事に自分が関わるという意思表示。自分がリカバリーできるとおもって始めて踏み出せる感じ。ビジネスだと、「私も関わる」とシンプルな感じだけど、端っこにいるというよりも主体的に関わるというような。
  • コミットメントを生み出すというのはその人にあるちからを引き出すというか、主体的に歩むきっかけを作るというのが大事なのかなと思った。
  • 責任という言葉があったので他の文章と重ね合わせて考えていたが、「責任」ってどんな時に感じるかと考えた。失敗したときに責任って感じたと思う。失敗を受け入れる前提。失敗が悪だという風習があるが、失敗しないとわからないことがある。
  • 失敗から学ぶことの話を聞いて共感した。病気になってから親がよかれと思ってやってくれたこととか周りが決めてくれたこともあったが、本当は自分の思いと違っていたり自分でやりたかったりしたこともあった。失敗するかもしれないけどチャレンジしたかったことも、周りが転ばぬ先の杖をつくってくれてた。たしかに自分で決めることが怖い時期があったが、失敗しても自分で決めて自分でやってみるって本当に大事。周りの方をみても自分でチャレンジしていずれ立ち上がって頑張っている姿をみるとそう在りたいと思う。
  • 失敗について。とある工程でミスをしたひと(メンバーさん)がいて、ご本人も気づいて、周りも気づいたが、何もなかったように職員さんが失敗を引き受けてやり直したということがあった。その時に不自然に感じたというか、ご本人も失敗したと気づいたが、本人も何も言わず。引き受けた人もそれに対して言及しなかった。すぅっと引き受けちゃうのが不自然に感じた。強く指摘するのも違うかもしれないけど何もないのも。未だに何がどういう声かけがベストだったか考えている。以前いた職場では、失敗についてはあとで振り返ったり、どうすればミスを防げたかを考える時間を持ったりしたが、今回は何事もなかったように終わってしまった。なぜ違和感を感じたのか考えていた。責任を取り上げちゃう感じ。
  • 何が闇に葬られたのかが気になる。何かがなかったことになるのは気になるなぁ。本人を傷つけないように失敗したと思わないようにしたのかなんなのかわからないまま終わった。
  • 希望を呼び起こす「あなたならできます」がないと消えてしまう。言わないとできないと思っているからしょうがないと思ってとりあげちゃう。次も同じことするかもしれない。言えば出来るかもしれないのに、次はできますという機会を奪っちゃう。可能性を小さく見積もっているのが気になった。信じていないように思った。
  • 失敗する権利とか、できる可能性とか奪われてしまった可能性もあるのかなと思った。その方がちょっとしたことで敏感になって通所できなくなるなど今までにあったのかとか背景も気になった。職員間でその方どうなのかとかこれからどうするか等お話したり、本人の思いを聞いたりできたらいいのかなと思った。
  • 自分は作業所で4年くらいクッキーを作っていたが、ほとんどはスタッフが用意して簡単な作業しかしていなかった。楽しかったが、やり甲斐はイマイチだった。先程の話でも、本人がやり甲斐を感じられ、気持ちが作業に乗っていると、失敗したけど頑張れたという実感につながるのかなと思った。
  • スタッフが失敗したくないという枠に入ってしまう。
  • その場に参加をしているが、機会を奪っている感じがある。新たに生まれるその人の価値。
  • 「失敗する権利がある」と支援者が言う時に、ん?と思う。わたしは失敗したくないんだよね、と思ってしまう。今まで散々失敗してきて自信を失ってきたのに、支援者の人にそれを言われたときに、いやいやこれ以上失敗したくないという気持ちになったりする。就職とか面接を受けに行くとか、落ちたとしても失敗する権利があるといわれると。これ以上人生において失敗したくないという反発もある。そんな気持ちになることありますか?
  • 失敗してもいいよ、というのは上から目線感があるように思う。失敗する可能性があるとおもっているんじゃないかとか。自分で「失敗してもいい」と思うのはいいけども。
  • 意図的に失敗させる?ではないけれど、支援者が思っているのと違う方向に行こうとした時に、自分でやってみて失敗から学ぶように、気づきを促すために言ったりするのも気になる。例えば、就労支援において、本人が持っている現状のスキルより求められる条件が高いところばかりを受けたいと言ったとき、支援者は「受けたとしても通らないだろう」と思っている。支援者たちが「落ちることでご本人も気づくよね」というような、意図的に失敗から気づいてもらおうという。気づきを得るためのチャレンジとか、「失敗する権利がある」と言われると嫌だなと思う。挑戦する過程を見ながら、評価している感じ。失敗する権利があるというのは失礼。ご本人が一生懸命考えてチャレンジしていると思うと言えなくなるのではないか。関係性にもよる。自分だったら驚くかもしれない。
  • 失敗していいよ、と、自分が安心したくて言っていることもあるかも。自分の保険のために言ってたり?
  • 失敗する権利と言っちゃうと強いし、上から目線な感じがする。自分には権利があると思うのはいいけれど、失敗してもいいよーと。失敗しちゃったらどうしようどうしようという人に声かけはできるかもしれない。
   
感想
  • あなたならできることを自分の経験からわかっている、など翻訳を変えてみても良いかもと思った。
  • 学習会が始まる時にワクワクしたり。今日も色々学べて幸せだったなーと浸っている自分がいる。今日の学びの中で「失敗」に対する考えや話も聞けて良かった。私は失敗すると落ち込んでしまう。1日の終わりの夜にぐるぐるしてしまうこともあるが、行き着くところは課題を次にいかそうと。失敗してナンボだなと自分に言い聞かせている。
  • 本日もありがとうございました。失敗をキーワードに話ができた。職場で失敗して、これ以上ミスしたくないなと思う状況もあるのだが、その時々の段階によってかけて欲しい声かけって変わってくると思った。過去を振り返って、その時の支援員や仲間からかけてほしい声かけを思い起こしてみたり、今の同僚や上司からどうフォローして欲しいかとか考えると、状況や関係性によって変わってくるのだなと思った。どういう言葉で自分がエンパワメントされるかということが違う。学習会に参加すると、わたしもあたたかな気持ちになるというか、いい感じの自分で終われるので、とてもいい時間を過ごせました。次回もよろしくお願いします。
  • 失敗する権利という言葉が出てきて、本人がいう言葉でひとから言われる言葉じゃないのだとおもった。権利ということがその人に備わっているもので人から言われることじゃない。チャレンジは大事にしていきたいが失敗は大きないたでを負うリスクがあるときに困る。金銭的なダメージとか、怪我を負うとか。転ばぬ先の杖という感じになってしまう。
  • ひとの話をきいて味わって聞かせてもらった。自分の中に湧き上がってくることも大切にしてみんなで共有出来たのも嬉しかった。自分にとってのリカバリーにもなっているのだろうと思う。にしこさん、失敗するからこそ責任に気づいたりする。世の中に「失敗しないので」というひとも責任を感じたりもするでしょうと思ったりしていました。また次回もよろしくお願いします。
  • いろんな人と話して話や価値を交換するっていいなとおもった。そうだよね、と思っても自分がすぐに動けないこともあるんだけど、他の人が動いてくれたり、違和感を感じた時に声をあげてくれる人が居て一緒に考えることができることで深まりが生まれる。なかなか対話をする文化がないけど、あるようになるといいしやっていきたいなと改めて思いました。

  
この学習会を含め、2021年度のしっぷろの活動は、「草の根市民基金・ぐらん」様の助成により実現しています。草の根市民基金・ぐらんさんのWEBサイトはこちら → https://citizensfund-grand.org/