2020年12月11日金曜日

【13日目】 あのひとたちに感謝をこめて

 先日わたしは、わたしの言葉が伝わりづらいことや、言われたことへの返事のテンポが遅いことについて指摘をもらう機会がありました。これはわたしの課題でもありますが、大事にしていることとも深くつながることだと見直す機会でもありました。

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10年くらい前のわたしは、今に比べれば返事のテンポも早く、すぐにわかりやすく答えを出すことも容易にできていました。たぶん。でも、振り返ってみると、それは自分の直感的な考えや判断に割と自信をもっていて、さらには自分の言動が周りの人にどんな印象や感覚をもたらすかを考えられていなかったのだと思います。返事は早かったかもしれないけれど、不正確なことや不誠実なこともあっただろうし、誰かを傷つけるようなことも言っていたように思うのです。

 

でもそれは、とても怖ろしいことです。その気づきを得てからは、自分自身を信じることができなくて、自分を大事に思うことはできませんでした。言葉を発することも怖くなり、説明するのにたくさんの言葉を要したり、あいまいな言葉で濁したり、うまく話せなくなっていました。何か意見を求められる場面でも、言葉を出したいのに頭が痺れて出すことができず、それでも「黙ってないで」というプレッシャーに応えることができずにさらに口が開けなくなる・・という内なる黒い循環が起きていて、今思えばけっこう苦しかったなあと思います。

 

そんなとき、寄り添ってくれたひとたちがいます。自分のことを大事に思えずうまく話もできないわたしをそのまま受け取ってくれて、「わたしはあなたを大事に思っているよ(あなたは自分のことを大事に思えないかもしれないけど)」と、態度で、言葉で教えてくれました。その態度や言葉は1回限りのものではなくて、そのひとたちとの時間で繰り返し繰り返し届けてもらうものでした。その空気のようなやさしさの中で、わたしもいったりきたりを繰り返しながら、徐々に自分を大事にできるような気持ちがしみこんできたように思うのです。

 

・・そして思う。


        あのひとたちは、誰?

 

わたしに、ちからをくれたひとたち。わたしがもういちど自分を信じて立つことができたり、わたしの声を発するような力を出したりすることを手伝ってくれたひとたち。名前をつけるならば、なんという存在なのだろう。

 

全く同じ経験を持っているわけではなかったと思うのだけれど、「自分のことを大事に思えない瞬間」とか、「言いたいことをうまく周りに届けることが難しいこと」を理解してくれていたように思います。そして何より、誰もが異なる考えや経験を持っていて、それが当たり前だと構えていてくれました。こんなことを言ったら笑われるかな、ばかにされるかな、かわいそがられるかな、心配させちゃうかなと思って言えないいろいろを、そのまま出して漂える空間は、居心地がよかったし、安心できた。

 

それが、先日ゆっきぃが言っていた、いろんなピアってことなのかなあと読みながら、考えていました。そして、いろんなピアと精神保健医療福祉領域で働くピアスタッフとしてのピアとは、重なる部分もあるだろうし際立つ部分も違うのかなあなど、とめどもなく思考がまわっています。。。

 

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そして話は戻り、いまのわたしは、言葉を発する前にできるだけ考えるようにしています。このことは不確かではないだろうか、だれかを傷つけるようなことは発していないだろうか・・。

 

とはいえ、返事が遅いことで誰かをいらだたせたり不安にさせたりすることも学んでいます。どうしたら、課題と大事にしたいことを両立させられるのか。これからもじっくり考えていきたいと思います。


今日も今日とてながながと綴ってしまいましたが、あのひとたちに感謝をこめて。

 

(つぶやきびと:みどりん)